健康診断
昨日、あるうさぎさんの健康診断を行いました。
検査項目は、
血液検査、レントゲン検査、超音波検査、尿検査、便検査です。
血液検査では、スクリーニングとして、どういった疾患が考えられるのかがわかります。
健康診断を受けられたうさぎさんの血液検査上では、軽度な脱水と、血糖値の上昇が認められました。
血糖値の上昇といえば、糖尿病を思い浮かべます。
しかし、猫ちゃんやうさぎさんでは、病院に来て採血されるだけで、血糖値が上昇することが多いです。また、うさぎさんでは、糖尿病というのは、稀な疾患でもあります。
なので、血糖値が上昇しただけで糖尿病とすぐに断定することはせず、慎重に診断をします。
また、わんちゃんや猫ちゃんにあるように、糖尿病性の白内障というのも一般的には知られていません。
レントゲン検査では、骨に異常がないか、軟部組織(臓器など)に異常がないかを見つけることができます。さまざまな方向から撮影し、短時間で終わります。
エコー検査では、体にプローブを当て、臓器の内部構造を観察することができます。しかし、動物に寝てもらいながら、時間をかけて見させてもらうため、動物たちにとってはストレスかもしれません。ただし、エコーから得られる情報の数はものすごく多いので、動物の状態を見ながら、検査していくことにしています。血液検査やレントゲン検査の情報を基に、その箇所を重点的に観察することが多いです。
尿検査では、尿の中に異常がないかを調べます。たとえば、感染がないかどうか、石が形成されていないかどうか、血が混じっていないか、そして、臓器の異常があった際にも尿検査でわかることがあります。
尿の濃さも大事な評価となります。腎不全や糖尿病があった際には尿は薄くなるからです。
ヒトの健康診断でよく、私は朝一番の尿を提出した記憶があります。それは、夜中の間にお水を飲んだり、食べ物を食べたりしないからです。もし、食べたり飲んだりしているとそれが尿に影響が出てしまいます。先ほどの尿比重(尿の濃さ)に関しても、もし水を飲んだとしたら、そこから出る尿は、薄くなっているのが当然です。ちゃんと濃い尿が出るかどうかは腎臓がちゃんと機能しているかどうかの基準となります。
最後に、便検査です。
動物たちの便では、寄生虫が感染していることがあります。
よって、まず、寄生虫や寄生虫卵がいないかどうか、そして、菌のバランスがくずれていないかどうかを見させてもらっています。
健康診断は、今現在何も異常がなかったら安心です。
また、体に異常があった際、うさぎさんは特に顔の表情がわからないので、しんどくてもそれを見せず、飼い主様も気づかれないことが多いので、病気の早期発見につながります。
先日健康診断に来られたうさぎさんにはこれからの課題についてお伝えしました。
少し、検査が続いて、緊張されていたようなので、ゆっくり休んで、ご飯をしっかり食べて下さいね^^
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