斜頸のうさぎさん
先月うれしかったことがあります。
5月ごろから通院されているうさぎさんでした。
斜頸(首が傾くこと)で来られていたのですが、
当初、立てないほど、首が傾いており、そのせいで、おしりもおしっこでかぶれていました。
しかし、オーナー様と一緒に治療をしていき、
月に一回、病院へ来られるたびに、頭の傾きが正常に近づいてきていました。
※斜頸は、脳炎(細菌性、寄生虫感染、腫瘍など)、内耳炎(外耳炎から波及することがある)といったことが根本となっておこる神経障害が主な原因です。
9月に、福岡にウサギの学会に行きました。
その時に、エンセファリトゾーンの研究をされている獣医師の先生のご講演を聞きました。
※エンセファリトゾーンとは、原虫の一つ(細菌では真菌と言われている)で、脳に潜在的に感染し、免疫が弱ったうさぎさんで、斜頸などの神経症状を発症してしまいます。
確定診断は、感染したうさぎさんの死後、組織を採って、遺伝子検査をしなければいけないので、生前確認は難しいとされています。しかし、最近では、抗体検査などもされていることも多いようです。
上記の理由で、エンセファリトゾーンの診断は難しいので、試験的治療(仮にエンセファリトゾーンがいるとして投薬を行うこと)をすることがあります。
うさぎさんの診断や治療に関しては、今の研究段階で、まだまだ分かっていないことが多く、手探りな状態であることが多いのですが、
先生のご講演を聞き、さまざまな治療を行っていくと、徐々によくなってくれたので、うれしいです。
経験的なことで、治療を行うということも大事ですし、新しい知識をどんどん増やしていくということも大事なことだなと思います。
まだまだ、駆け出しですが、うさぎさんがたくさん病院にいらしてくださるので、同じ症例を繰り返し診察する機会が多く、たくさんのうさぎさんを救うことができていると実感するとうれしいです。
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