うさぎさんの血液検査の意義①
昨日、たくさんうさぎさんが来られ、中には検査をされたうさぎさんもいらっしゃいました。そこで今日は血液検査についてお話ししたいと思います。
①採血について
うさぎさんの採血に使わせてもらう血管は、当院では主に耳介の血管と後ろ足の血管です。
犬や猫に比べて大変血管が細く、特に耳では、小さいうさぎさんだど採血ができないことが多いです。そういったときには、後ろ足の血管から採血することがあります。
また、診察台では突然飛び降りてしまううさぎさんがいますので、適切な保定が大事です。
②血液検査(赤血球と白血球)
たくさんの論文において、発表されている基準値がバラバラであるため、当院で使用している検査基準を下回っているからといって、「異常です。」と必ずしもお伝えすることはありません。
よく検査の結果をお話しするときにお伝えする項目が、まず、HCT(ヘマトクリット)値です。HCT値が30%以下で貧血を疑います。また、もともと、数値が高かった子が、低くなっていたりすると、貧血が進行していることを示しますので、正常範囲内であっても注意が必要です。
貧血の原因は、さまざまです。原因を探るために、注目する項目として、MCVやMCHCなどがあります。これらは、赤血球の大きさや色素の濃さなどを表しています。
続いて、白血球関連です。白血球が上昇すると、感染が疑われるというのは一般的ですよね。白血球数の下にある項目(ヘテロ、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)というのは、白血球の分類です。HETEROとは、ヒトや犬猫で言う好中球のことです。
うさぎさんにおいては、炎症に対して、白血球数の増加は必須ではなく、血液検査で白血球数が正常であっても、炎症性疾患が起きているというのは、珍しくありません。
また、好中球の上昇、リンパ球の低下は、ストレスパターンと言って、ストレス下でこのように変動することも多々あります。ですから、問診や、触診そのほかの情報と組み合わせて判断する必要があります。
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