血液検査(白血球)
今日は、白血球についてお話します。
白血球とは、免疫担当細胞である単球(マクロファージ)、リンパ球、好中球、好塩基球、好酸球の5種類で構成されており、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割を担っています。
好中球
好中球は貪食細胞として機能し、感染症や免疫会財政疾患などの炎症性疾患で増加します。
☆うさぎと他の動物との違い
〇形状
ウサギの好中球は、染色において桃色に染まる顆粒を持つため、好酸球に間違えやすいです。
ちなみに犬の好中球はこちら
うさぎの好中球の方には桃色の顆粒が目立ちますね。
〇反応
イヌやネコでは、炎症性疾患、とくに細菌感染に反応してそう白血球数の増加が起きますが、ウサギでは炎症に対する白血球の反応は鈍く、ヒトや牛に似ています。
好酸球
好酸球はヒスタミンの不活化またはヒスタミン様物質による解毒を主な機能都市、アレルギー反応において重要な役割があります。貪食能もあります。
ウサギの好酸球は組織治癒にも関与します。
〇反応
好酸球がどのような因子で増減するか解明されていません。
イヌ、ネコ、ヒトでは、寄生虫感染によって、好酸球が増加することが知られています。
しかし、ウサギではエンセファリトゾーン症でも好酸球が増加しません。
好塩基球
アレルギー反応で重要な役割を果たすといわれていますが、詳細は解明されていません。
リンパ球
胎仔期に骨髄で生じ、その後T細胞は胸腺、B細胞はファブリキウス嚢相同器官で教育を受けて、成熟Tリンパ球、Bリンパ球へと分化します。
出生後は、脾臓、リンパ節、腸関連リンパ組織(虫垂)で産生されます。
ウサギは成長後も胸腺が委縮せず、リンパ球の産生が続きます。
免疫応答に関与しています。
単球
細菌などの異物を細胞内に取り込み、消化します。
最大の免疫細胞です。
他の動物種と同じように、慢性疾患、慢性炎症で増加します。
〇白血球数の変化
1.年齢
総白血球数は、約5か月齢で最高となります(リンパ球の数が5か月齢以降は減少していきますが、好中球の数は年齢とともに増えていきます)
2.日内変動
午後から夜にかけて総白血球数とリンパ球数は減少しますが、好中球は増加します。食事リズムにも関与しているようです。
いかがでしたか?少し難しかったかもしれません。ウサギって他の動物と違う箇所も多いですね。
ちなみに、「はたらく細胞」という私の好きなアニメがあります。
人間の中の細胞たちが擬人化してわかりやすく機能を説明しているものです。とても面白いです!!ぜひ見てみて下さい。今回の説明がすんなり入ってくると思います!
〇参考文献
ウサギの医学 緑書房
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