血液検査(赤血球)
今日は、血液検査(血球系)について一緒に勉強しましょう。
1回目は赤血球です。
まず、血液は、細胞成分と液体成分で構成されています。
Q細胞成分(血球)にはどんな種類があるでしょうか?
A答えは、赤血球、白血球、(血小板)です。
液体成分は…血漿と呼ばれています。
今日は、血球の中の赤血球についてお話します。
顕微鏡で見るとこのように真ん中の部分がやや色素が薄く見えます。これをセントラルペーラーと呼びます。(写真は、犬と猫の血液アトラスからの引用です。)
ウサギの赤血球は、直径6.7-6.9μm、厚さ2.15-2.4μm程度ですが、ほかの動物とは違い、正常であっても赤血球の大小不同が強く認められる場合もあります。(大小不同…大きさにばらつきがみられること)
赤血球の寿命は、45-70日です。
血液検査で、赤血球の何を見るのかというと、一番大事なことは、赤血球が足りていないのか(貧血)、多すぎはしないか(多血)ということです。
その指標がHCT(ヘマトクリット値)と呼ばれる項目です。
基準値は大体30~40%です。
血液には、細胞成分と液体成分があるということを先ほどお伝えしました。
その全部の血液中の赤血球の割合のことをヘマトクリット値として表しています。
もし、20%ほどのヘマトクリット値であれば、
このように、液体成分の割合がより多く見えますよね。
Qでは、どういった原因で貧血になってしまうのでしょうか?
Answer
①失血
②溶血
③消耗性疾患
④腎性
⑤老齢性
①失血…外傷などによって持続的に体から血液が失われていく、ウサギでは肝葉捻転も多い。
②溶血…肝疾患、高脂血症、炎症、膿瘍、敗血症、腫瘍などにより、赤血球膜の変性や、赤血球の物理的創傷が引き起こされ、溶血する
③消耗性疾患…慢性感染症、歯牙疾患、腎疾患、肝疾患、膿瘍や腫瘍などの消耗性疾患によって、炎症による鉄利用阻害を生じ、貧血になる
④腎性…腎臓からは赤血球賛成を促すエリスロポエチンが分泌されているため、腎不全となると赤血球の産生能が低下する
⑤老齢性…高齢動物では代謝の低下が起こる
いかがでしょうか。
血液検査で得られる情報はたくさんあり、疾患の診断に重要な検査です^^
次回は白血球に関して記載します。
※参考文献:ウサギの医学 緑書房
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