コラム 自分の犬への手術を経験して
昨日、私の飼っている犬の手術をしました。
私の犬は14歳のプードル。
顔を触られるのが大嫌いで、触ろうとすると噛みついてきます。でも本人がうれしいことをしてあげると喜んで尻尾を振ってきます。そんな犬です。
年末あたりから食欲がまちまちで、なんだかおかしいと感じ、年明けに、検査をすることにしました。
触ると大変怒るため、鎮静下で検査を行いました。
1年前に歯石除去を行いましたが、きっとまた付いているんだろうなと口を見てみると2cmくらいのしこりが口の中に見られました。
すぐに生検を実施し、返ってきた病理検査の結果は、扁平上皮癌。
扁平上皮癌は、転移は少ないですが、骨浸潤を起こしてQOLが下がってしまう疾患です。
治療は、外科的切除。
骨浸潤も可能性があったため、下顎も一緒に取ることにしました。
手術をすることを決めた日は、獣医師としてやらないといけない、頑張ろうと思っていたのですが、いざ手術当日になると胸がどきどきして少し怖かったです。これって飼い主の気持ちなのかな…
よりによって、下顎切除(術後に亡くなる可能性もある大きな手術です)。
無事に3時間半で手術を終え、術後元気に鳴いてくれました。
夕方には、いつも通り噛みつこうとしたので安心しました。
この度の手術は、
リモートで北大時代の麻酔科の先輩が麻酔を見てくださいました。
麻酔管理がしっかりしていたおかげで、大きな手術も乗り越えることができました。
また、外野でテキパキ動いてくれた看護師さんも、助手に入ってくれた先生も、本当にありがとう。
チームワークのおかげで、スムーズにできました。
飼い主様が家族である動物たちを病院に預けられるとき、心配な気持ちでいっぱいなのだと思います。
私たちは、その心配な表情を、笑顔に変えられるよう、一人ひとりに向き合わなければなりません。
どの動物に対しても、自分の家族と同じように向きあいたいと感じました。
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