エンセファリトゾーン症
今日は、主に神経症状をもたらすウサギエンセファリトゾーン症についてお話しします。
ウサギエンセファリトゾーン症は微胞子虫であるEncephlitozoon cuniculiが脳、腎臓、眼に病変を作る疾患です。
診断は、臨床所見や血清学的検査によって行います。
若いうさぎさんは発症すると急死してしまうことがあります。
大人のうさぎさんは、感染していても症状を表さないケースがあります。(ある研究では、無症状うさぎの23パーセントがエンセファリトゾーンの抗体を持っていることが示されています)。
また、ほかの研究では、単頭飼育よりも多頭飼育でのほうが、エンセファリトゾーンの陽性率は有意に高いことが示されています。
治療はエンセファリトゾーンを殺すお薬を飲んでもらいます。神経症状が治ったあとでも、ある程度の日数は継続してもらう必要があります。
しかし、早目の治療を行わなかった場合、脳などに炎症性の病変が残存してしまうことがあり、神経症状も不可逆的になってしまいます。
神経症状というと、古くから脳炎や内耳炎などが主に考えられてきましたが、ここ最近ではエンセファリトゾーン症の研究がますます行われ、わかってきていることも増えてきています。なかなか治らない神経症状、再発を繰り返してしまう神経症状…飼い主さんも大変だと思いますが、治療をまずは頑張っていきましょうね。
参考文献
Harcourt-Brown, F.M.&Holloway, H.K.R(2003): Encephalitozoon cuniculi in pet rabbits. Vet. Rec., 152:427-431
0コメント