ウサギさんの白内障
今日は白内障についてお話します。
〇白内障の原因
・老齢性
・エンセファリトゾーン症
・外傷
〇治療
ウサギの白内障は、犬猫他の動物と同じように、進行性で点眼によって進行は抑えられても改善することはありません。どんな原因であれ、白くなった場合は点眼によって改善はしません。
進行を抑えるために「ピノレキシン製剤」の点眼はウサギにも投薬可能です。
外科的治療は、超音波乳化吸引術や水晶体摘出術が適応となります。
〇内科的治療や外科的な治療を考える上で…
・ウサギにとって視覚がどの程度重要か
ウサギの場合、白内障での生活の質が落ちるということはあまりありません。
重度に進行したのちに、視覚障害が出てくると思います。
また、嗅覚や聴覚に関しても、人の何百倍も優れているため、目の前にあるご飯が食べられない、壁にぶつかるなどといったことも少ないです。
もし、うさぎさんがものにぶつかるくらいの重度な白内障の場合、その状況からの点眼に関しては、無意味かもしれません。点眼に関してはもっと軽度な状況からのスタートが望ましいです。
・手術のリスクを頭に入れる
白内障になったウサギさんが高齢の場合、手術を受けるのであればリスクを考えなければなりません。ウサギさんの10歳は人でいうと「90歳」くらい。90歳で手術をするかどうかということがまず一つ飼い主様に決めていただくことです。 ウサギは約200匹に1匹が麻酔の影響を受けるといわれいています。さらに10歳を超えているウサギの麻酔リスクは高いです。
もし、そのウサギさんが子宮腺癌で、手術をしない場合の予後が悪いとわかっているときには、きっと手術を決断していただくと思います。
しかし、老齢性の白内障に関しては、生活の質が落ちないのであれば、外科の適応にはならないことが多いです。
・若年性の白内障では、目だけではなく、体のことも考えて
「エンセファリトゾーン」という寄生虫感染による白内障の発症を考えなければなりません。
エンセファリトゾーン症の場合は、斜頸などの神経疾患が現れることが多いですが、白内障や緑内障、腎不全など、脳以外にも感染することがあります。
斜頸では、歩行ができなくなるケースもあり、食欲も低下することもあります。
腎不全の場合は、老廃物の排出ができず、生死に関わることもあります。
・続発する緑内障に注意して
白内障を発症したうさぎさんでは、眼房水が貯留する緑内障になってしまうことがあります。
緑内障では、目が飛び出し、赤く充血して、痛みを伴うことが多いです。
その場合は、痛みによって食欲の低下をもたらす可能性があります。
いかがでしたか?
わからないことがあればいつでも聞いてくださいね。
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