うさぎさんクイズ
今日は、私が購入した本のご紹介です。
インターズー出版「ウサギの診療Q&A」。
もともとアメリカで出版された本が翻訳されたものです。
すべてQ&A形式で、ウサギを診察する身としてはとても参考になりますが、
日本ではなじみがない問題もいくつかありました。
以下に問題文を記載してみます。皆さまも考えてみてください。
Q米国で2匹のウサギが屋外飼育されていて、そのウサギ小屋の床はワイヤーメッシュになっている。1か月ほど前、飼い主がウサギ小屋に侵入しようとしているアライグマを目撃した。2匹のウサギのうち1匹は後肢に噛み傷を負った。飼い主は、過酸化水素で傷口を洗浄し、そのまま自然に治るまで待っていた。現在、飼い主はこの同じウサギが食欲不振と震えを示していると報告している。ウサギは歯をぎしぎし擦り合わせ、わずかに頭を揺らし、前肢の運動失調もみられている。もう1匹のウサギは病気に冒されている様子はない。
aこのウサギが示している兆候の原因として最も考えられるものは何か?
b同じ小屋に住んでいる症状のないうさぎに対して何をすべきか?
答えは、私なりに砕いた説明で記載したいと思います。
a狂犬病ウイルスの可能性が高い。
狂犬病ウイルスは唾液によって伝達されるラブドウイルスです。
日本でも、犬では法律によって狂犬病ウイルスのワクチンを接種することが義務付けられています。世界では、
イヌ、ネコ、アライグマ、キツネ、コウモリなど動物が、狂犬病ウイルスの保有の可能性があり、むやみに動物を触ったりすることに対して注意するよう呼びかけられていますね。
狂犬病ウイルスは、そういった動物の唾液や咬傷を通して、ヒトやウサギにも感染する可能性があります。
上記のように急性の髄膜脳炎を引き起こし、神経症状が現れます。
脳組織を採取して、抗体検査を行うことが確定診断です。
bヒトにも移ってしまう病気である以上、残念ながらウサギは安楽死しなければなりません。
いかがでしたか?
狂犬病って聞かれたこともあるかと思いますが、日本ではあまりなじみがありませんよね。
このように海外の本を読んで面白いなと思うのは、教科書では習ったことはあるけど、診察では見たことがないというような症例の報告があったりすることです。
日本国内においても、北海道と東日本と西日本で、感染しやすい病気そうでない病気ということも実はあります。
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