胃腸うったいでは、開腹手術をするのか!?

今日は胃腸うっ滞の治療についてお話しします。


「胃腸うったい」とは、胃腸の運動が低下し、流れが悪くなってしまう病態のことです。


胃腸うっ滞の原因は、

・病気によるストレス

・心因的ストレス

・消化管自体のトラブル


です。


胃腸うったいでは、食べ物の流れが悪くなるため、うさぎさんが自分自身でグルーミングした結果飲み込んでしまった毛が蓄積し、毛球症に発展してしまうことがあります。


胃は大きな袋ですが、胃の後にある十二指腸は細く、そこの間で閉塞してしまうことがあります。




では、閉塞した場合、どのような処置や治療をするのか!!?


触診やレントゲンにて胃拡張がないか診断します。

→胃拡張がある場合は、胃の減圧をしなければなりません。


→胃拡張がないが、胃の硬結を感じたときは、造影剤を投与し、胃から大腸まで造影剤がすんなりと行きわたっていくのか確認します。


その結果

→部分閉塞である場合は、内科的治療を行っていくことが多いです。

内科的治療というのは、点滴、薬剤投与、強制給餌、レーザー治療などです。



完全閉塞でない限り、私は外科的な介入はほぼありません。

胃であれば切開が可能ですが、腸管の切開は融合不全、食欲低下などさまざまなリスクを伴い、亡くなる危険も大きいためです。

便が出ていない場合は、腸管での閉塞を考慮し、開腹して、腸の閉塞部位を肛門の方へ促すこともあります。


私が、大阪や熊本で学んだことや経験から、このように書きましたが、うさぎさんの状態によって治療方針が変わることも多々あります。

また、獣医師によって、経験や慣れているやり方などがあるので、ガイドラインが決まっているわけではありませんので、これが絶対ということもありません。









胃腸うったいは、重症であれば、生死にかかわる病態です。


人、犬などの動物であれば、数日食べなくても生きていけるのに・・・と、うさぎさんの体のメカニズムをかわいそうに思ってしまいます。


ルモうさぎブログ

個人のブログに変更しました。

0コメント

  • 1000 / 1000