先日、断脚の手術をしました
先日、7歳の猫ちゃんの右前肢、断脚の手術をしました。
その猫ちゃんには、肩関節付近に、骨腫瘍がありました。
びっこをひいており、痛そうにしていました。
猫ちゃんの骨腫瘍は、統計的に約80%~90%が悪性と言われています。
発生率は、10万頭のうち5頭ほどです。
レントゲン所見や、細胞診などの結果、悪性の可能性が高く、そのまま断脚の手術を行うことになりました。なにより、今、骨が腫瘍によって溶けていることに対し、疼痛緩和の意味合いも強いです。
少し話が変わりますが、断脚について。
昔は、猫ちゃんやワンちゃんの交通事故が多く、父がよく夜に手術を行っていました。
狸も来たことがありました。
交通事故の際に、肉や骨が砕けて、整復ができないと判断した場合は、そのまま断脚をすることもありました。
最近では、野良犬や野良猫の数が減ったおかげか、交通事故で連れてこられる件数はかなり減りました。なので、断脚をする機会も多くありません。
今回の骨腫瘍の猫ちゃんは、10万頭に5頭というものすごく珍しい病態に罹ってしまいました。
断脚の手術は、子宮の摘出やイボの摘出、とは、手術をする側の気持ちの持ちようも少しだけ変わります。それらに対し何も感じないわけではありません。
動物とは言っても、運が悪く、悪性腫瘍が発生してしまい、断脚をしなければいけなくなったことを考えたら、つらいな、と感じてしまうのが、本音です。
最初は足がなくなってしまったことに、ショックを受けているだろうと思います。
しかし、ヒトとは違い、4つの足を使って歩く動物は、3本になっても器用に歩けることが多いです。
きっと、痛みが取れて生活がしやすくなってくれるはずです。
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