うさぎさんの抗生物質
抗生物質とは…細菌を殺したり、増殖を抑えたりするお薬のことです。
現在、たくさんの種類の抗生物質がありますよね。
抗生物質には、以下に示す通り、どれだけ多くの種類の細菌に効くのか、またその効力などの指標があります。
よって、ある細菌には、この抗生物質が効きやすいという特異性があります。
〇抗菌スペクトル
抗生物質と細菌の有効性(効くのか効かないのか)のことを表す指標として用いるのですが、
「抗菌スペクトルが広い」ということは、多くの細菌の種類に効くことのできる抗生物質のことを示します。
〇MIC(最小発育阻止濃度)
抗生物質の濃度が低すぎると効きませんので、どの程度の濃度があれば効くのかということを指標にしたものです。
これらをふまえて、細菌感染にかかっている動物たちに、抗生物質をチョイスします!
さて本題です。うさぎさんでは、使える抗生物質の種類が、他の動物よりも限定されます。
まず
「なぜうさぎでは使える抗生物質の種類が少ないのか」ということです。
①正常な腸内細菌叢(菌のバランス)に変化を与え、体制のある病原性細菌の異常増殖を引き起こしてしまう。
②抗生物質自体の毒性によっても、さまざまな炎症を引き起こしてしまう。
その結果、活動低下、食欲低下、下痢などが起きてしまうことがあります。
なので、おうちでワンちゃんや猫ちゃんを飼っていらっしゃるご家庭では、
うさぎさんにくしゃみが出てしまったときに、ワンちゃんに処方された抗生物質をうさぎさんに使ってしまっては、事故が起きてしまう可能性があります。
動物病院で処方されたものを使うのが、一番安心ではありますね^^
余談ですが、獣医師国家試験で、ウサギに使える抗生物質を選ぶ問題が出題された年もありました…。大学の授業では、ウサギのことまで勉強はしないので、そういった問題は比較的難易度の高い問題ですが。
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