今日のうさぎさん⑧
昨日、あるうさぎさんの避妊手術(子宮卵巣摘出術)を行いました。
術前検査として、血液検査をスクリーニング検査として行い、身体検査においても問題がないようなので、手術を行いました。
比較的小さい子だと、おへそあたりから下腹部に向けて2~3cm位の長さの傷口で開腹します。
〇子宮卵巣摘出術についてです。
①卵巣と腎臓の間には、靭帯がありますが、左右ともにそこで結紮して、切断します。
②子宮体で結紮し、切断します。
上記の3点で切断することで、卵巣と子宮すべてを摘出できます。
〇手術におけるメリット
・うさぎさんの子宮卵巣は、他の動物よりも、出しやすいです。
犬では、①の卵巣と腎臓の間にある靭帯が強固に存在し、かつ短いため、周りの腸管や組織を押し付けてでないと、卵巣は出てきません。
しかし、うさぎでは、そのようにしなくても、容易に卵巣が触知でき、簡単に摘出できます。
・そして、犬のほうが出血量が多いため、血管をちゃんと結紮し、止血確認を十分にする必要がありますが、うさぎはそこまで出血量は多くありません。
〇手術におけるデメリット
・うさぎさんでは、麻酔のリスクは他の動物よりも高いです。
・術後に食欲不振に陥るうさぎさんが多いです。
避妊手術の意義は、うさぎではよく発生する卵巣子宮の疾患予防が主ですが、手術によって状態が悪くなるようだったら、よくないです。
しかし、1日たてば普通通り生活しているうさぎさんが多い気がするので、そこまで心配は必要ないのかなとも思います。
また、避妊手術をしていない高齢のうさぎさんが子宮疾患になって転移をするケースがやっぱり多いので、避妊手術をするメリットは大きいと思います。
昨日、避妊手術を受けられたうさぎさんは、術後から牧草を食べ始めましたので、安心しました。また、縫合部を舐めている様子も見られませんでした!!
また一週間後に術後再診でお待ちしていますね^^
0コメント