うさぎの肝リピドーシス

肝リピといったら猫！のイメージがありますが、実はうさぎさんにもあり得る病気です。

肝リピドーシスは、栄養過多と慢性、長期的な食欲不振によっておこる肝臓の脂肪化のことです。うさぎさんの肝疾患で最も多いです。

うさぎさんは、歯の病気や胃腸の病気によって食欲不振になることがあります。食欲がないまま治療を行わなければ、胃腸の活動低下、そして、肝臓の脂肪化が起こることがあります。そして慢性的な肝炎になってしまいます。

特に肥満のうさぎさんであれば、肝リピドーシスになるリスクが高いです。ストレスによってインスリン抵抗性が生じ、筋肉や脂肪組織の糖取り込みが減り、脂肪組織から肝臓への中性脂肪輸送が促進されてしまうからです。また、肥満では、ケトアシドーシスと言って、血液中のケトン体（飢餓状態によって発生する）が増え、酸性化してしまうリスクも高いです。

血液検査では、肝酵素の上昇がみられることがあります。また、貧血も起こることがあります。

そういった重篤なことに陥らないように日々食事量の観察をしてください。

強制給餌が難しいこともありますが、しっかりご飯を食べさせてください。

肝臓の病気といえば、他に肝葉捻転も多いです。その場合は、おなかを開いて、肝葉切除と止血処置が必要となります。出血量が多量の場合ですと、輸血が必要です。急性的な臨床症状の変化であれば、こちらの可能性もあります。

病気にはさまざまな原因があります。決してひとつではありません。

慢性的な経過であれば特に、飼い主様の頑張りも必要かと思いますが、一緒に頑張っていきましょうね。