ネブライジング
ネブライジングを行っているうさぎさん
うさぎさんのスナッフルはとても厄介です。
原因菌の一つに、パスツレラ菌という細菌があります。これは、呼吸器の常在菌と考えられているので、免疫が下がったウサギさんに対して、スナッフル(風邪症状)を引き起こしてしまいます。これを日和見感染と言います。
一方、ボルデテラという細菌も、スナッフルを引き起こすことで知られています。これは、常在菌ではないのですが、感染してしまうと、鼻腔内の細胞にダメージを及ぼし、パスツレラなどの常在菌が悪さをしてしまいます。
鼻腔内や、肺、気道に感染している細菌に対して、抗生物質を直接届かせる方法としてネブライジングがあります。
箱の中にうさぎさんに入ってもらい、機械で薬剤を蒸気にして箱の中に入れます。そしてうさぎさんは、薬を直接吸うことができます。薬は、抗生物質、気管拡張剤、粘液除去剤などを使用しています。
箱の中は、真っ白になります。
何回か使っていると、うさぎさんのくしゃみの回数が減ってきたり、呼吸が楽になったり、効果が見られてきます。
呼吸器感染症といえば、
皆さんは、2020年にアメリカで流行した、ウサギ出血病をご存じですか?うさぎさんが急に鼻血を出して、次々に亡くなっていきました。
当院でアメリカから輸入していた牧草も、ウサギ出血病の流行を受けて、輸入が遅延しました。これは、カリシウイルスというウイルスが原因でした。
自宅での経口薬の投薬や、点鼻が難しいうさぎさんは、ネブライジングを利用してみてくださいね。
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