膝蓋骨脱臼 しつがいこつ
今日は、膝蓋骨(パテラ)脱臼に関してお話します。
もふちゃん(1歳 男の子)
2022年1月末 朝飛び降りてからびっこを引いているとのことで来院されました。
診察中は跛行(歩行の異常)は認められませんでした。
2月上旬 やはりびっこをたまにするとのことで、再来院されました。
レントゲンを撮影したところ、右膝蓋骨脱臼を認めました。
右の膝蓋骨が脱臼しています。
膝蓋骨脱臼とは、「膝のさら」と呼ばれる膝蓋骨が正常な位置からずれた状態のことです。
膝蓋骨をのぞいた膝です。
大腿骨には滑車溝(かっしゃこう)と呼ばれる溝があるのですが、赤ペンで示した部位に本来、膝蓋骨がはまるのが正常です。
しかし、それが、内向きにずれてしまう=脱臼してしまうことがあります。
ウサギさんの場合、爪がカーペットに引っかかったり、ジャンプして落ちたときなどに、過度に後ろ足が伸びたり、ねじれてしまうことによって発症してしまうことが多いようです。
地面に足を付けることは可能ですが、最初は足を挙上して歩くこともあります。
脱臼していても、不自由なく生活しているウサギさんが多く、そのうち跛行も消失することがあります。
膝の内部にある前十字靭帯が断裂すると痛みを伴い、歩きにくくなるので、積極的な治療が必要になることもあります。
先日も、別のウサギさんで膝蓋骨を脱臼してしまった子が来院されました。意外と多い病態です。
本人も急に脱臼して戸惑うと思いますので、飼い主様自身が病態について理解して、サポートできたらいいですね。
私たちも、安心して皆さんが生活できるように全力でサポートします。
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