いぼ取り②
別のうさぎさんでもいぼ取りを行いました。
ぱんちゃん(5歳 女の子)
背中に6㎜のイボができました。
細胞診(腫瘤に針を刺して、針に入ってきた細胞を顕微鏡で確認すること)をしたところ、良性腫瘍を疑う細胞が検出されました。大きさも大きくなく、腫瘤は筋肉との固着もなかったため、糸で縛ってイボを壊死させ、自然に落ちるのを待つことにしました。
悪性腫瘍の場合ですと、腫瘍周辺に散らばっている細胞も多いため、マージン(手術の切開部位のこと)をある程度確保した外科的摘出が望ましいです。
しかし、今回は、見た目、経過、細胞診などの総合的な判断をして、この処置を行うことにしました。
2週間ほどして、ご来院されました。
腫瘤への血流が途絶えて、黒くなっています。
イボは自然に落下していませんでしたので、私が軽い力で動かすとぽろっと取れました。
取れたあとの写真です。
かさぶたになっていますが、自然に皮膚は修復されていきます。
このやり方だと、外科的にマージンを取って摘出をしているわけではないので、乳頭腫という腫瘤の場合は特に、またイボが出てくる可能性があります。
しかし、麻酔リスクの高いうさぎさんが、痛い思いをして、手術を受けるよりも、無鎮静のいぼ取りは費用も掛かりませんし、このやり方でまずはやってみてどうなるかを観察してもいいと思います。
いぼ取りを頑張ってくれたぱんちゃんですが、実は5月に子宮に癌ができて、子宮卵巣摘出術を行いました。腸間膜にも転移をしており、(転移していた腫瘍も摘出しました)予後は不良と思われ、数か月で亡くなる可能性をお伝えしていたのですが…
あれから7か月…
毎月、検査を行っていましたが、手術以来、新な腫瘍の発現は一切なく、
今は不正咬合の治療のために2か月に一回、鎮静下での処置のついでに再発のチェックを行っていますが、過去の病気を一切思わせないほどとても安定しています。
病院にも、とても慣れてくれて、歯が悪いにも関わらず、どこでも、どんな時も、牧草を食べています。飼い主様とのお話し中も、横でずっとご飯を食べている、かわいくておもしろいうさぎさんです。
とても運のいいうさぎさんでした。
これからも長生きしてくれると思います。
目指せ10歳!
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