良性腫瘤を糸で縛って取りました。
今日は、ずっと頭にあったイボを糸で縛って取ったウサギさんをご紹介します。
大福ちゃん
保護されておうちに迎えられた時から、頭にしこりがあり、最近少し大きくなったとのこと。
見た目は赤く、皮膚とくっついていますが、筋肉からは遊離して、可動する腫瘤でした。
細胞診を行ったところ、「毛芽腫」という良性腫瘤の可能性が高いと感じられました。
毛芽腫は、ウサギの皮膚腫瘤で最も多く発生し、中高齢に多く、好発部位は体の背中側です。
一般的には1~2センチですが、大きくなることもあります。その場合、緩やかに成長します。
外科的切除で治療しますが、腫瘤の根元を糸で縛ることで自然に枯れ落ちるのを待つような治療もあります。
今回は、飼い主様とご相談し、糸で縛る方法で治療を行いました。
縛って10日後に再来院されました。
赤色だった腫瘤は、血流がなくなって変色していました。診察中に、手で軽く押すと糸で縛った腫瘤は簡単に落ちました。
取れた腫瘤の裏側です。
取れたあとの皮膚は若干赤いですが、腫瘤が取れて平たんになりました。
糸で縛るとき、本当は痛いと思うのですが、大福ちゃんはじっとしてくれてお利口さんでした。糸で縛ってから10日間、ご自宅でも全く気にしていなかったようです。
全身麻酔をかけて、イボを切除する方法もありますが、麻酔のリスクがほかの動物よりも高いうさぎさんでは、このような良性腫瘤ですと、無麻酔で簡単に取れることもあります。
ウサギさんの負担もなく、また飼い主様のご不安も取り除けて、とてもうまくいった治療でした^^
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