うさぎさんの皮膚病 答え
昨日の問題の解説です。
①お鼻と陰部の腫れ
答え:ウサギ梅毒(ウサギのスピロヘータ病)
ウサギ梅毒は、Treponema paraluscuniculiの感染による皮膚疾患です。
母うさぎから感染したり、交尾感染します。
病変は、肛門と口周りに見られることが多いです。
抗生物質によって治療を行います。
②目の近くのおはげ
答え:涙があふれたことによる、湿性皮膚炎。
涙があふれてしまうことの原因は、
目自体の障害、歯牙疾患による鼻涙管閉塞などです。
うさぎさんの涙は、目が乾かないように脂っこいです。
ですので、皮膚に涙がついてしまった場合、ティッシュで拭いても取りにくいですよね。
濡らしたティッシュなどで拭いてあげたり、コームで細目にといてあげて、それでも皮膚の炎症が激しい場合は、毛刈りをしてあげる方が治癒が早いです。
③突然おしりの毛が抜けました。
答え:換毛の一つ。(アイランドスキン)
アイランドスキンとは、一部のウサギで見られる換毛現象です。
毛嚢の数と大きさ、毛嚢成長相異によって発毛の縞模様が出てきます。
無毛部と有毛部に分かれます。
手術の時におなかを毛刈りした写真です。
一部は白く(無毛部)、一部は濃く(有毛部)となっていますね。
避妊手術をご経験された飼い主様はご存知だと思いますが、
術後、毛刈りした部位が発毛してくるときに、すべての箇所の毛が同時に徐々に生えそろってくるわけではなく、ある箇所が島のように生えてきて、別の箇所はまだ生えていないといった現象が起きます。
この写真のように、指の近くだけ毛が長く生えていますね。
無毛部は、赤くなったり、フケが出てきてしまうこともありますが、これは病気ではありません。
④目の下の皮膚がさけました。
答え:膿瘍。
目の下、目の付け根、顎下…顔面にできるしこりは、膿瘍であることが多いです。
膿瘍は、この写真のように皮膚が破裂してしまうこともありますが、破裂せずに石灰化して固くなってしまうことがあります。
膿瘍は、皮膚が避けて破裂をしてくれる方が管理しやすく、治癒する可能性もありますが、根本的な原因である、歯牙疾患を併発している場合は、完治が難しく、再発してしまうことも多いです。
このうさぎさんが目の付け根に膿瘍ができてしまいました。
⑤足の毛が抜けています。
答え:心因性脱毛。
腰、前足、後ろ足、内股、おなか…
ウサギさんがストレスを感じて、毛を抜いてしまいます。
治療は、ストレス要因を除去すること、避妊去勢手術、エリザベスカラーの装着、気持ちのお薬など。
先週、急性胃拡張のウサギさんが3匹来院されました。
これもストレスにより引き起こされることがあります。
うさぎさんたちが、ハッピーラビットになって、ストレスのない生活ができますように。
いかがでしたか。
少し難しかったですね^^
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