前歯を抜いたうさぎさん

今日は前歯を数か月前に抜いたうさぎさんのお話です。


うーたんは、数か月前に下あごにしこりができているということで来院されました。

このしこりは膿瘍で、不正咬合のある切歯が原因ではないかと考えられました。


前歯の不正咬合は、奥歯の不正咬合の原因となってしまいます。

それは、前歯のかみ合わせが悪いことで、ちゃんとした位置で口を閉じることができないので、奥歯も正常とはずれた場所で伸長してしまうためです。


不正咬合や膿瘍は今後ずっと付き合わなければならない疾患になりうるため、切歯の抜歯、膿瘍の摘出の手術をご提案しました。


歯を抜いて大丈夫なのか!というご不安があったようですが、しっかり説明させていただき、ご決断していただきました。


膿瘍についても、手術?!と思われる方も多いかと思います。しかし、基本的に摘出によって完治する可能性が高いので、摘出困難な場所でない限り、膿瘍自体の摘出を勧めます。

膿を出して洗浄というやり方は、再発を繰り返してしまいがちなのです。



術後のうーたんは、歯がなくなってもそれを思わせないほどしっかり食べてくれました。


切歯についてですが、下顎切歯のほうが上顎切歯よりも伸長するスピードが速く、トラブルになりやすいです。ですので、下顎切歯から抜歯をすべきと言われています。


うーたんも下顎切歯のみ抜歯を行いましたが、上顎切歯の伸張は顕著ではなく、術後から数か月した今でも上顎切歯の削歯の処置は行っておりません。


余談ですが、うーたんは、膿瘍摘出、切歯抜歯以外にも、同時に去勢手術を行いました。

おしっこを散らして、おしりが汚れることが今ではなくなったようで、飼い主様が大変喜ばれておりました。


私も、うーたんが抜歯後も上手に食べてくれたことや、おしっこのトラブルや膿瘍のトラブルがなくなったことを受け、うーたんが喜んでいるだろうことを想像すると、とてもうれしく思います。

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